高市新総理の所信表明と森林林業の未来(2025/10/30)

高市新総理大臣が10月24日、国会で所信表明演説を行いました。

イントロは「今の暮らしや未来への不安を希望に変え、強い経済を作る。そして、日本列島を強く豊かにしていく。世界が直面する課題に向き合い、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す。絶対にあきらめない決意をもって、国家国民のため、果敢に働いてまいります。」

初めての女性首班、新総理がどのような所信を語ったのか、その中で森林の未来や地球の未來は視野にはいっているのか?みてみました。

(テキスト分析)

まず8900字のテキスト分析。森林という言葉がいくつあるかな(KHコーダーを使って頻語分析)

多い順に名詞を拾っていくと、経済26、国民19、戦略15、地域14、医療12、産業11、世界10・・・・以下の言葉はゼロ、林業、地球、カーボン、森林、

石破演説(2024年10月)では(国民34 経済31、地方31、社会25、政治24、地域19、我が国13、環境12・・・林業2・・・地球1
岸田演説(2021年10月)では(経済23、コロナ22、国民21、社会19、実現18、成長16、保障15、分配13・・環境5・・農業3・・・地球2、グリーン2

森林、林業、地球、カーボン、グリーンといった勉強部屋が好きな?言葉はなくなりました。

それでは、テキストでなく内容の分析を。

(国土強靭化・地方と暮らしを守る政治の中での森林は)

全体の構成は、始めに ▼ 経済財政政策の基本方針 ▼ 物価高対策 ▼ 大胆な「危機管理投資」による力強い経済成長 ▼ 食料安全保障 ▼ エネルギー安全保障 ▼ 令和の国土強靱化対策 ▼ 健康医療安全保障 ▼ 地方と暮らしを守る ▼ 外交・安全保障 ▼ 憲法改正・皇室典範改正・昭和100周年 ▼ 結び__という、12章の構成です。

その中で、森林ガバナンスに関係ありそうなのは、▼ 令和の国土強靱化対策 ▼ 地方と暮らしを守る ですね

(国土強靭化対策と森林問題)

7番目の課題として、「令和の国土強靭化対策」さて、国土の2/3を締める森林が、国土強靭化対策にどのように位置づけれられているでしょうか・・・

イントロはーー 「日本は世界有数の災害大国です。南海トラフ地震、首都直下地震等の巨大災害に対する事前防災、そして発生してしまった災害の応急対策、復旧・復興は、国として対応すべき最優先課題です

具体的な記述は、 来年度の防災庁の設立準備加速国自治体の体制整備、自然災害の頻発化に対応する予報警告体制の強化、福島能登の復旧の推進、などが挙げられています

が、国土の2/3、殆どの斜面を被覆している防災上重要な森林に対応し、森林の保全に関連した記述はありません。

なお、来年設置される防災庁に関しtですが、防災庁発足に向けた動きの中に、山火事の多発ということが念頭にあるようです。

(地方と暮らしを守る地域未来戦略)

さて、9章の「地方と暮らしを守る」は、(地域未来戦略)_(人口政策・外国人対策)_(治安・安全の確保)の三つのセッションからなっていますが、・・森林ガバナンスに関係ありそうなのは「地域未来戦略」?かな?

イントロはーー 「事を論ずるには、当(まさ)に己れの地、己れの身より見(けん)を起こすべし、乃(すなわ)ち着実と為す」 吉田松陰先生の言葉のとおり、地方の活力は、すなわち日本の活力であることを、身をもって知っております。地方が持つ伸び代をいかし、そこに暮らす住民の皆様の暮らしと安全を守ってまいります。

具体的な先進事例ととして記載されているのが、TSMCが進出した熊本県ラピダスが立地した北海道の2例、

方針の記述として「地域を超えたビジネス展開を図る中堅企業を支援し、大胆な投資促進策とインフラ整備を一体的に講ずることで、地方に大規模な投資を呼び込み・・・・テクノロジーや地域資源を活用した付加価値の創出・地域外へのビジネス展開支援、二地域居住を含む関係人口創出、稼げる農林水産業の創出等を通じて、農山漁村・中山間地域を始め地方に活力を取り戻します。」

とありますが、「テクノロジーや地域資源を活用した」がキーワードのようですが、、テクノロジーの事例はありますが、地域資源の活用事例が提示されていません

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林業成長産業化などにもとづく、具体的案展開が必要ですよね

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以上高市信総理の所信表明演説を見てきましたが、物価高対策や、中期的財政対策、当面の国際情勢を念頭いおいたエネルギー・食料安全保障など、当面の対策に目が行って、次世代に責任を負う、地球環境危機を視点を合わせた、カーボンニュートラルとか、脱炭素論は抜け落ちていますね。

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(歴代の所信表明の中の地球環境・温暖化対策・カーボンニュートラルは)

さて、2020年に日本は「2050年にカーボンニュートラル」と宣言しましたが・・・、

4年前の岸田総理の所信表明には、「2050年カーボンニュートラルの実現に向け、温暖化対策を成長につなげる、クリーンエネルギー戦略を策定し、強力に推進いたします。」と記載してありました。

一年前の石破前総理の演説では、カーボンニュートラルという文言はありません。が、所信表明のなかで、「気候変動」にふれた、文章がありました。▼日本を守る(外交安全保障)という章の中に、「グローバルサウスとの関係強化や、軍縮不拡散、気候変動など地球規模課題への取組を進めてまいります。・・・・との記載されています。

今回は気候変動という記述もなくなりました。

ことしの11月10日からブラジルで開催れる、気候変動枠組み条約第30回締約国会合(COP30)は森林資金問題が重要な課題になりそうです。

「地球の肺」でCOP30開催 議長国ブラジル、森林基金創設に意欲

そんなことも視野に入れてほしいですね

(結び)

以下が高市演説の最後の結び章の全文です

 以上、ここに述べました所信に則り(のっとり)、必ずや、日本列島を強く豊かに、日本を再び世界の高みに押し上げてまいります。
 「事独り断(さだ)む可(べ)からず。必ず衆(もろとも)と与(とも)に宜(よろ)しく論(あげつら)ふ可(べ)し」
 古来より、我が国においては衆議が重視されてきました。政治とは、独断ではなく、共に語り、共に悩み、共に決める営みです。私は、国家国民のため、各党の皆様と真摯に向き合い、未来を築いてまいります。
 どうか皆様、共に日本の新たな一歩を踏み出しましょう。
 御清聴ありがとうございました。

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はーいわかりました。いろいろ課題のある所信表明ですが、これに基づいて議論していきましょうーという、スタンスですね。頑張りましょう。

以上が高市演説です(ちらちら私のコメントもいれていますが)

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以下まとめて、私のコメントを紹介しますね(1年前とほぼ同じ)

(コメントー日本の未来だけでなく、地球の未来を視野に入れて!!)

結構厳しい選挙情勢なので、なかなか、票にならない大切なことをいうのをはばかられることがあるかもしれませんんが・・・

「勇気を出して」以下のような新たな一歩を踏み出してくださいネ

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2050年までのカーボンニュートラル!!

それまでに大切な手段はなにか?

気候変動に対して、森林は重要な役割(IPCC第6次報告書左の図)。で指摘されているように、

「ポテンシャルの大きな5の技術のうち、2つは風力発電、と太陽光発電のエネルギー分野だが、後の3つは農林土地利用分野!!①農地における炭素隔離(農地のCO2吸収・排出削減)、②森林などの他用途転換の抑制、➂森林などの復元」です

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林野庁2022:森林と脱炭素を巡る情勢について)右の図にあるように・・・

「2030年度の新たな森林吸収量目標の達成及び2050年カーボンニュートラルの実現に貢献するためには、森林・林業基本計画に基づき、間伐や、エリートツリー等による再造林等の森林整備、建築物等における木材利用の拡大等を図ることが不可欠

• そのためには、人や資金が必要であり、森林・林業・木材産業分野に人や資金を呼び込む工夫が必要。」

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日本の未来!だけでなく、地球の未來のため!!にも、森林とカーボニュートラルの新たな一歩をの議論を進めてください!!!

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(高市総理のゼロエミッションへの貢献!!)

ごめんなさい、重要な情報がありました

高市早苗内閣総理大臣は、現地時間10月26日午後5時34分(日本時間午後6時34分)から約10分間、アンワル・イブラヒム・マレーシア首相との共同議長により、第3回アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳会合を開催しました

共同議長となっ高市総理の発言が、外務省のページに公開されています

第3回アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳会合

 ●世界の成長エンジンとして、アジアの経済成長の確保は必須です。同時に、気候変動対策は人類共通の喫緊の課題です。
●脱炭素化、経済成長、エネルギー安全保障を同時に実現し、 産業構造やエネルギー構成といった各国の事情を踏まえた多様な道筋の下、ネット・ゼロを達成するべく、AZEC原則の重要性を改めて確認したく思います。
所信表明演説の2日後に、「海外で自分が共同議長になってアジアゼロエミッション共同体首脳会議を主導し、気候変動対策は人類共同おj喫緊の課題です!」1と宣言します!!

何故所信表明演説の中で触れなかったのでしょうか?

是非、 国会代表質問などの中で議論していただきたいですね!

kokunai6-75<takaiti2>

 

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