「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」の改定ー合法木材ガイドラインとの関係ー国産材は大丈夫?(2026/4/20)

再生可能電力の支援事業に該当する、木質バイオマスを供給するための条件を規定する、「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」改定され、4月1日から施行されました。

発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン(PDF : 240KB)【令和8年4月1日更新】

一体何が変わったのでしょうか?

(輸入木質バイオマスの持続可能性の確認方法のイメージ)

第34回 総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 新エネルギー小委員会 バイオマス持続可能性ワーキンググループ、資料3調達価格等算定委員会への報告(案)について(P10)

上記のネット上の資源エネルギー庁の資料に概要が記載されているので、それを見てみます

ーーー上の図としたのテキスト

FIT/FIP制度では、支援対象となる木質バイオマスに求める具体的な条件や手続き等については、木質バイオマスの生産や流通等を所管する林野庁が策定した「木質バイオマス証明ガイドライン」や「合法性・持続可能性ガイドライン」に規定される仕組みとなっている(上の図の左側真ん中の二つのボックス)。

• 今後、輸入木質バイオマスの持続可能性基準等が整理され、FIT/FIP制度に反映する場合、これらガイドラインの改正が必要となるが、「合法性・持続可能性ガイドライン」はグリーン輸入法の下で様々な木材・木材製品も対象としている。

• そのため、今後の議論に柔軟に対応できるよう、輸入木質バイオマスの持続可能性の確認方法については、「木質バイオマス証明ガイドライン」に内容を整理・統合することとする(上の図の右側真ん中赤い枠取りのボックス)。

ーーー

バックグラウンド、説明)

対象となる木質バイオマスは国産材と、輸入材があり、それらを、(1)間伐材等由来の木質バイオマス(右の図濃い緑)、(2)一般木質バイオマス(右の図黄緑) (3)建設資材廃棄物の三種類に分ける作業に関する方法ですが、概要は右の図をご覧ください。

(1)は国産材だけ、(2)は国産材と輸入材、です。

ということで、(2)のなかで、輸入木質バイオマスの基準が厳しくなったので、新しいガイドランができたのですね。

(輸入木質バイオマスについてガイドラインに具体的記載事項)

どのように、輸入木質バイオマスの基準がきていされることとなったのでしょう、

ガイドライン本文

ガイドラインの具体的な内容を、本文から見てみましょう

A)輸入材(第3表輸入段階における持続可能性(合法性)を証明するために添付を要する書類)(P11からP12)

(2) 個別企業等の独自の取組により由来を証明する場合((1)は森林認証を利用する場合ですので省略します)
森林の伐採段階から納入段階等に至るまでの流通経路等を把握するために持続可能性(合法性)に関する以下の項目について輸入を行う者自らが確認を行ったことを証明書に記載すること。なお、当該証明書の発行に際しては、確認内容について第三者の監査を受け、その旨を輸入を行う者が公表することとする。
1)土地利用への配慮
2)温室効果ガス等の排出・汚染削減
3)生物多様性の保全
4)土地使用権の確保
5)児童労働・強制労働の排除
5)業務上の健康安全の確保
6)労働者の団結権及び団体交渉権の確保
7)法令遵守(日本国内以外)
8)サプライチェーン上の分別管理の担保 

もちろん、7)は合法性証明そのものですが、その他に、原料の環境的、社会的な配慮がとれているかどうか、が要求されていますね。ほぼ「持続可能な木材」の条件をクリアされていますね。

ところで、国産材はどのような要求がされているでしょうか

B)国産材(第3表由来証明が可能な一般木質バイオマスであることを証明するために添付を要する書類)(p10)

(1) 国内森林を伐採する場合
(ア) 伐採造林届出書及び適合通知書
(イ) 林野庁「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」に基づく合法木材である旨の証明書
(ウ) その他これに準ずる書類
注:森林法の手続きを要さない森林の伐採であって、上記に該当する書類がない場合は、その旨を証明書に記載すること。

これだけです、いわゆる合法性証明のひな形通り(持続可能性は担保されていない)ですね。

輸入材に要求されている、原料の環境的、社会的な配慮がとれているという要件は国産材には要求されていないのですね。

ガイドラインが一つになり、具体的な要件がわかり易く比較できるようになっているので大丈夫でしょうかね。

しっかり、国産材も当然、持続可能な木材をクリアするしくみにしとくことが、必要です!!

ガイドラインが英訳されたらすると、心配です。

(ガイドライン変更に関する環境団体の意見)

出版記念パーティで、環境団体の方から、以下のようなコメントをいただきました。

【プレスリリース】FIT/FIP輸入木質バイオマス発電の持続可能性に関する経済産業省・林野庁のガイドラインが改正~抜本的対策の欠如に対し、環境団体が懸念を表明という文書を確認下さい

 <4つの提言内容>
① 温室効果ガス(GHG)排出削減やエネルギー効率に関する要件の厳格化
 カスケード利用や高いエネルギー効率(熱利用優先もしくは熱電併給)、2050年ネットゼロに整合するGHG排出削減要件(燃焼によるCO2排出を含め)を義務化すること。これにより、ペレット生産目的の天然林・原生林伐採や植林への転換、丸太の利用を防ぎ、排出量が少なく効率の良いエネルギー利用が可能となる。

② 森林減少・劣化や法令違反を引き起こしていないことの確認
 下記2点の確認と情報開示を、すべてのFIT/FIP認定輸入バイオマス発電事業者に求め、確認できていない燃料はFIT/FIPの対象外とすること。また、第三者による確認を可能にするため、一次加工場までのトレーサビリティの確保とその情報公開を義務化すること。その際、森林認証制度を持続可能性・合法性の証明に使うことは補完的な役割として認めるが、森林認証制度ではないSBP(持続可能なバイオマスプログラム)やGGL(Green Gold Label)の使用は除外すること。

1. バイオマス燃料生産が森林減少・劣化に寄与しないことを確実にするため、原生林や天然林由来(製材端材や残材を含め)でないこと、また、それらが植林地に転換された土地由来でないことの確認
2. 調達先のペレット工場の特定、および、環境法・労働法等への違反が起きていないことの確認

③苦情申立てシステムの透明化
 FIT/FIP認定事業に対する苦情申立ての内容および経産省の対応状況について、申立て者や第三者が知ることができるようにすること。また、事業者の報告に対し疑念や苦情申立てが生じた場合、FIT・FIPによる買取の一時停止と経済産業省による調査・事実確認の実施、および、問題が認められた場合に認定取り消し等の対応を行うべきである。

④審議プロセスへの環境団体の参加
 資源エネルギー庁のバイオマス持続可能性ワーキンググループ(WG)において、森林やバイオマス利用、生産地の実情に詳しい環境団体の委員としての参加や意見表明の場を設けること。もしくは発言権のあるオブザーバーとしての参加を認めること。

② 森林減少・劣化や法令違反を引き起こしていないことの確認については、今回のガイドライン変更がカバーしていると思いますが・・・環境団体が、供給国の現地を見ながら、輸入材についてさらに、厳しい指摘をされていますネ

国産材にはノーコメントですか?

環境団体のよくある、傾向ですが

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